脳梗塞後遺症の手指を動かすリハビリ法(指の分離運動自己リハビリ)
ご自宅での自己リハビリが大切です。ポイントを抑えて、リハビリを行いましょう。
拘縮麻痺の経過
- 発症直後は弛緩(全く動かない)
- 動かせるけど、少ししか動かない・動かせるけど、いっぺんに動いてしまう=共同運動
- 動かしたいところだけ動かせる=分離運動
共同運動から分離運動へ
- 共同運動:少ししか動かない・動かせるけど、いっぺんに動いてしまう
- 分離運動:動かしたいところだけ動かせる
リハビリの目標設定
共同運動(動かせるけど、少ししか動かない・動かせるけど、いっぺんに動いてしまう)から分離運動(動かしたいところだけ動かす)を目指す
症状のステージ
医学的にはブルンストロームのステージ6段階ですが、今回は6段階だと複雑すぎるので、2段階に分けてリハビリを行っていきます。
手指を動かすリハビリ解説
1段階目
手指がまったく動かない状態か手指の屈曲のみがわずかにできる状態
(ブルンストロームのステージに置き換えるとステージ1、ステージ2)
2段階目
全指をいっぺんに曲げることはできるが1本1本別々に指を曲げることができない、指・手首を伸ばすことができない
(ブルンストロームのステージに置き換えるとステージ3、ステージ4)
1段階目:手指がまったく動かない状態か手指の屈曲のみがわずかにできる状態
屈曲動作リハビリ
屈曲動作リハビリの目的
屈曲動作の神経回路の促通、神経道路を作り直す、何度も繰り返す
事前確認:手指を曲げてみて、どの程度曲げ伸ばしがコントロールできるか確認します
屈曲動作リハビリ内容
- ①単純に力を入れる ものを握る 例 タオルを握る
- ②力を入れた際に、健側で指を曲げる
- ③力を入れた際に、前腕屈筋部をタッピング
- ④力を入れた際に、前腕屈筋部を圧迫マッサージ
※リハビリの途中途中で、上肢の伸展運動を入れる
事後確認:もう一度、単純に力を入れる リハビリ前と比較してみましょう
2段階目:全指をいっぺんに曲げることはできるが1本1本別々に指を曲げることができない、指・手首を伸ばすことができない
指1本1本個別の屈曲運動リハビリ
指1本1本個別の屈曲運動リハビリの目的
指を1本1本個別に動かせる(分離運動)ようになる
事前確認:各指がどの程度曲げ伸ばしがコントロールできるか確認します
指1本1本個別の屈曲運動リハビリ内容
- ①第2・3指の運動 健側で補助しながら動かす 分離運動
- ②第4・5指の運動 健側で補助しながら動かす 分離運動
- ③第1指の運動 健側で補助しながら動かす 分離運動
- ④1指ずつ運動 健側で補助しながら動かす 分離運動
※リハビリの途中で、上肢の伸展運動を入れる
事後確認:各指の動きをリハビリ前と比較してみましょう
伸展動作リハビリ
伸展動作リハビリの目的
手首・指全体の伸展、神経回路の促通、神経道路を作り直す
事前確認:どの程度、指・手首の伸ばしがコントロールできるか確認します
伸展動作リハビリの内容
- ①単純に全体を伸ばす(上肢全体でOK)
- ②補助しながら、手首・指を伸ばす
- ③前腕伸筋部をタッピングしながら、手首・指を伸ばす
- ④前腕伸筋部を圧迫マッサージしながら、手首・指を伸ばす
※リハビリの途中途中で、上肢の伸展運動を入れる
事後確認:各指の動きをリハビリ前と比較してみましょう
まとめ
- 共同運動(動かせるけど、少ししか動かない・動かせるけど、いっぺんに動いてしまう)から分離運動(動かしたいところだけ動かす)を目指します
- 1段階目の手指がまったく動かない状態か手指の屈曲のみがわずかにできる状態の時は、屈曲動作リハビリを実施します
- 2段階目の全指をいっぺんに曲げることはできるが1本1本別々に指を曲げることができない、指・手首を伸ばすことができないの状態の時は、指1本1本個別の屈曲運動リハビリと伸展動作リハビリを実施します
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