脳性麻痺は訪問リハビリと訪問マッサージのどちらが効果的なのでしょうか?
Twitter(脳性麻痺専門アカウント)から頂いたご質問回答
脳性麻痺は訪問リハビリと訪問マッサージのどちらが効果的なのでしょうか?
みなさん、こんにちは!藤和マッサージの須藤です。さて、今回はTwitter(脳性麻痺専門アカウント)から頂いたご質問にお答えしたいと思います。『脳性麻痺は訪問リハビリと訪問マッサージのどちらが効果的なのでしょうか?』という質問です。ご質問ありがとうございます。では、お答えさせて頂きます。
訪問マッサージと訪問リハビリの違い一覧表
訪問マッサージ | 訪問リハビリ | |
大きな目的 | 症状改善 | 機能向上 |
具体的な目的 | 筋緊張痙縮緩和・疼痛緩和・関節可動域向上 | 歩行・立位・寝返り動作獲得 |
内容 | マッサージ・ストレッチ・関節運動メイン | 動作訓練・運動訓練・装具提案 |
補完 | 症状緩和により機能向上させるので、訪問リハビリを補完する内容もあり | マッサージや関節運動を実施することもあるので、訪問マッサージを補完する内容もあり |
その前に前提としてのお話を・・・
訪問リハと一言にいっても広い意味では、理学療法(PT)作業療法(OT)言語聴覚療法(ST)などの広義の意味でのリハビリががありますが、
今回のご質問の件では理学療法メインになると思いますので、理学療法に絞ってお話します。
【参考】
理学療法(PT)
脳性麻痺筋緊張が強い状態で、自分の思ったように体が動かせない症状ですので 、歩行がうまくできない、
寝返りがうまくてできない所に対して、体の使い方を介助しながら一緒に動いたり誘導したり訓練をする運動療法をします。(もちろんそれだけではないです)
作業療法(OT)
日常生活の動作 洋服の着替え トイレ お風呂 の動作の訓練
言語聴覚療法(ST)
話す・聞く・読む・書く 嚥下訓練
装具・呼吸リハビリなど広義のリハビリは、機能訓練だけでなく様々リハビリを含みます。
ここからが回答になります!
何がメインの目的かによって効果的かどうか異なります。
体の機能向上が主目的の場合は、機能訓練中心の訪問リハビリ
歩行を安定させたい、座位を安定保持させたい、寝返り動作がスムーズにできるようなりたいなど、体の機能向上が主目的の場合は、機能訓練中心の訪問リハビリが良いと思います。特に小児の方はこちらの機能獲得のための訓練をメインにおすすめします。
リハビリ例)歩行を安定させたい⇒個々の癖パターンや痙縮の強さを考慮した歩行をアドバイス
歩行の悩み・歩行がうまくできるようになりたい!が目的の場合
⇒評価:歩行がうまくできない原因を推察
⇒良いPTさんは動きの癖パターンや痙縮の強さを考慮してうまく体の使い方や歩行の仕方をアドバイス
⇒さらに原因に応じた歩行訓練、運動訓練を実施、装具の選定提案。
リハビリ例)座位を安定保持させたい⇒不安定要因となっている弱い筋肉を突き止めて強化
座位を安定保持させたい!が目的の場合
⇒評価:座位保持が安定しない原因を推察
⇒良いPTさんは不安定要因となっている弱い筋肉を突き止めて強化するよ指導してくれます。
症状改善が主目的なら訪問マッサージ
何かしらの症状改善が主目的であればマッサージと関節運動が中心の訪問マッサージがおすすめです。
マッサージ例)ふくらはぎの筋緊張の緩和⇒マッサージで緩める⇒歩きやすくなる
脳性麻痺の方はふくらはぎの筋緊張が強くなり、つま先がたっちぱなしの状態になりやすくとても歩きにくくなります。
そこでふくらはぎの筋肉をゆるめると、足首がやわらかくなり歩きやすくなります。
マッサージ例)手首・指の関節可動域低下⇒周りの筋肉をマッサージ・関節運動⇒可動域向上
脳性麻痺の方は常に筋緊張状態です。それにより徐々に関節の動く範囲が狭くなりますので、それを改善予防するために訪問マッサージがおすすめです。
例えば手首や指の関節の可動域が低下している場合は、前腕という筋肉が硬くなっていますので、まずはそこをほぐします。そのあと関節を動かしてあげる関節運動を行うことで可動域が向上します。
マッサージ例)背部の痛み⇒背部周辺の筋肉のマッサージ⇒疼痛緩和
脳性麻痺の方は背部の緊張も強く、側弯といって背骨が曲がってしまう状態になることがあります。そこで、背部周囲の筋肉のマッサージをすることによって緊張が緩和され、疼痛が緩和されることがあります。※ただし、痛みの原因が脊髄そのものにあるとマッサージでの緩和は難しく手術の適応になる場合もあります。
下記の症状改善が主目的であればマッサージと関節運動が中心の訪問マッサージが良いと思います。
- 筋の緊張が強いから緩和させたい
- 関節可動域が狭くなっているから可動域維持向上したい
- 疼痛緩和させたい
二次障害が出やすい脳性麻痺の成人の方には特にマッサージがおすすめ
特に成人の方で何かしら痛みなどの症状が出ている方はこちらの症状緩和のマッサージをおすすめします。成人の方の場合は、筋肉の緊張から関節の変形、姿勢不良、脊柱の側弯などが起こり二次障害、合併症、転倒を起こりやすくなりますので、筋緊張緩和・関節可動域維持のためのマッサージ・関節運動をおすすめします。
訪問マッサージと訪問リハビリはリンク補完しあっているので両方を受けてもOK!
また筋の緊張・関節機能低下・疼痛などの症状は歩行・座位保持など体の機能に密接にリンクしているので、
もちろん訪問リハの中でマッサージを行うこともありますし、逆もあります。両方行っても良いと思います。
まとめ
歩行や寝返り動作の機能訓練メインならリハビリ、筋緊張緩和・疼痛緩和ならマッサージというように目的に応じて使い分けて頂ければ良いです、とうのが回答になります。
訪問マッサージ | 訪問リハビリ | |
大きな目的 | 症状改善 | 機能向上 |
具体的な目的 | 筋緊張緩和・疼痛緩和・関節運動 | 歩行・立位・寝返り動作獲得 |
内容 | マッサージ・ストレッチ・関節運動メイン | 動作訓練・運動訓練・装具提案 |
補完 | 症状緩和により機能向上させるので、訪問リハビリを補完する内容もあり | マッサージや関節運動を実施することもあるので、訪問マッサージを補完する内容もあり |
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◎訪問マッサージのおすすめ
脳性まひ児の方はQOLの維持向上につながる訪問マッサージがおすすめです。お近くの訪問マッサージ事業所を利用してみてください!
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