マッサージ基本施術マニュアル(横向き)|訪問施術者研修
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腰痛で悩んでいる方のご家族がやってあげられるパートナーマッサージ方法をご紹介します。
医療・介護の現場にいると背中が丸くなっている人よく見かけます。訪問マッサージの患者様にもとても多いです。高齢者に多い姿勢ですが、医学的には「円背(エンパイ)」や「亀背(キハイ)」
と呼ばれます。では、背中が丸くなってしまうと、どんな身体的な影響が出るのでしょうか?
腰が曲がる事で、足が上がりにくくなったり、つまづきやすくなったり、歩行速度が落ちてきます。
バランスを崩した際の適応運動が低下し、転倒しやすくなります。
・腰背部への痛み
・疲れやすい
・老けて見える
など、身体的な影響が出てしまいます。
円背の方に『もっと足を上げましょう』などと促しても なかなか難しいのです。
円背の原因として、「二分脊椎」や「先天性脊柱後湾症」など生まれつき脊椎の変形がある場合や、「化膿性脊椎炎、脊椎カリエス、脊髄髄膜瘤、強直性脊椎炎、骨軟骨異形成症、 骨形成不全症、軟骨無形成症、腫瘍」など、病気が原因で起こる場合も あります。しかしほとんどの高齢者の場合は上に挙げた理由で円背になっているわけではないようです。
☆圧迫骨折、☆骨の摩耗・変形☆筋力低下による姿勢不良が大多数です。
骨粗鬆症などで圧迫骨折を受傷する事で『円背』の症状が出てきます。一見均等に潰れているようですが、圧迫骨折では背骨がお腹側に潰れて変形するものです。何度も繰り返すと変形が進んでしまいます。
長年体重を支えてきたことで背骨がすり減ったり、少しずつ変形することで円背になります。これも大きな原因は加齢によるものですが「加齢が一要因ですが、絶対になってしまう訳ではありません。」
骨格の周りを筋肉や腱、靭帯で固めて、バランスを保つことで姿勢は保持されています。重要なのは筋肉で、筋力が低下するとからだのバランスが維持できなくなり、姿勢が崩れていく事が原因となります。
改善方法は、『円背』の原因によってアプローチの仕方が変わってきます。前回お伝えした原因の中で『圧迫骨折』や『骨の摩耗や強い変形』については、正直・・・・手術治療などの治療となります。但し、『筋力低下等による姿勢不良』からくるものは、筋力トレーニング・ストレッチやバランスを整える事で改善される事があります。
まず医師からの診断・既往症で、① 脊椎に変形や骨折が無いか。②骨粗鬆症による椎体の圧壊・変形がないか。を確認しましょう。
寝転んで背中が真っ直ぐ伸びる場合は、立位を取った時に体が重力により潰れて見かけだけ円背になっている可能性が高いです。
寝転がった時に背中が浮いてしまう場合は、骨などに異常がある場合が多いです。脊椎に変形があって円背になっている方は、立っていても寝転んでも背中が曲がったままになってしまいます
高齢者の円背の方に共通しているのが、首周り肩周りの動きの乏しさです。円背による腰痛がある場合が多いので、腰周りの筋肉をほぐすようリハビリも必要ですが、円背を更に進めないようにするためにも、過度に前にでている両肩を開いていただくように、まずは肩周り・首周りの筋肉の緊張を取り除き、その後肩を動かすような運動をするのが良いと思います。
円背・亀背を進行させないストレッチ・エクササイズ動画解説
1.まず、足を腰幅に開いて椅子に座ります。
2.手を後ろで組みます。
3.胸は上前、腕は斜め下に伸ばします。
これで、20秒キープします。
1.しっかりと椅子に腰かけ、首を曲げ背中を丸め5秒キープします。
2.次に、首と背中を反らせ、5秒キープします。
1.足を軽く開き、腕を伸ばして両手を頭上で合わせます。背筋を伸ばし、真っ直ぐ前方を見つめます。
2.手のひらを外側に向けながら、肘をゆっくりと曲げていきます。肩甲骨同士を寄せられる限界まで近づけて。5回繰り返しましょう。
※スローな動きを意識することで、肩甲骨の柔軟性がUP!
タオルを背中側で持って、左右に大きく動かします。
タオルを背中側で、斜めに持って伸ばします。
タオルを背中側で下からもち左右に引っ張り伸ばします
カルシウム摂取を心掛けて、ビタミンDとマグネシウムを一緒に撮れるとさらに効果的!普段の食事から取り入れていけると良いですね。
円背の患者様は身体に力が入る時はしっかり動作のサポートをして背中に負担が行かないよう注意。
視界がどうしても下方に行きやすくなるので上部への注意がおろそかになりがちです。歩行の際は上部への注意を払う必要があります。
姿勢の改善として無理に背中を伸ばさせたり、可動域を超えた動作は痛みがでてきやす為無理をは禁物です。
(※各運動共、無理のないよう行ってください!)
ここでは、訪問マッサージの対象症状となる関節拘縮について、関節拘縮の予防方法や治療方法をご案内します。
関節包や靭帯等の結合組織の伸張には20〜30分間の持続的伸張が望ましい。これは、長時間にわたり弱い伸張力を加えたほうが、伸張力を除いた後でもその効果が持続(翌日の ROM の戻りが少ない)するという結合組織の性質があるからです。
2~3秒の最大等尺性収縮(ホールド:患者は関節を動かそうと力を入れてもらい、それに対して術者は抵抗をかけてホールド・静止させる)の直後に力を抜かせ,リラクゼーションを得る方法。緊張の低下により関節可動域の増大を得る事ができます。
自動的関節可動域訓練と他動的関節可動域訓練があり、状態によって使い分けます
拘縮とは・・・関節包外の筋肉・靱帯・神経・血管・皮下組織・皮膚等の組織の変化に起因する関節可動域制限
強直とは・・・関節包内の関節軟骨・骨・関節内靱帯等の組織に起因する関節可動域制限
関節が癒着している強直に関しては、関節可動域訓練はほとんど効果がないので、状態によって治療方法が異なります。
【参考文献】
1)田島達也: 拘縮の概略. 臨床リハ, 5(2), p135-138, 1996
2)武富由雄: 関節可動域制限. 石川 斎ほか(編集): 図解理学療法技術ガイド,
第1版, 文光堂, p54-67, 1997
わたしたち訪問マッサージ師が普段訪問している患者さんでも多くの方が便秘傾向にあり、そういった患者さんにはお腹のマッサージを取り入れいています。ある在宅クリニックの先生の情報では患者さんの6割から7割はなんらかの便秘薬を処方されているそうです。特に寝たきりの患者さんなどでは運動量が減るので、便秘になりやすい傾向があります。
まずは、準備段階として、お腹の中央・左側・右側・上側・下側を圧迫します。
お腹を時計に見立てて、お腹の右下腹部から左下腹部、8時から6時の方向に円を描くようにマッサージします。
お腹に手を密着させる これが一番重要です。体の表面はお腹であっても平らになっていることはありません。マッサージする手のひらをお腹にぴったりと当てて行えるかどうかが最重要項目です。
腹式呼吸の要領で大きく息を吸ってお腹を大きく膨らませてもらい、その後息を吐いてお腹を凹ませてもらう事、これを繰り返すと腸の働きがより活発になりGOODです。
高齢者の運動は、全身の健康の維持増進、認知症の予防などに大きな効果があるものです。反面、事故による負傷や骨折、無理な運動による脳卒中などのリスクもあります。このようなリスクを避けるため、高齢者の運動で家族が注意するべきポイントです。
血圧には「絶対除外基準」という数値があります。最低血圧110mmHg以下、最高血圧180mmHg以上というものです。この基準に該当するときに運動すると命に関わるため、 運動をしてはいけません。これは高齢者だけでなく若年者でも同じです。低血圧、あるいは高血圧の状態で運動を行うと、脳卒中や心臓病、動脈硬化などを引き起こす可能性があります。「高血圧の薬を飲んでいれば血圧は上がらない」と思って運動してしまう高齢者もいますが、これも危険なので止めるようにしてください。
微熱や下痢など、何かしらの体調不良があるときも、やはり運動は避けた方が良いでしょう。通常このようなときに運動をしたがる高齢者は少ないでしょう。しかし、たとえば地域のイベントの当日など、軽い体調不良があっても出場してしまう可能性はあります。このようなときでも「体調不良があれば運動はさせない」のように、周囲が意識しておいた方が良いでしょう。
何かしら体に不快感があると高齢者が訴えるときには運動を中止させるべきです。たとえば「何となくだるい」「気乗りがしない」「昨日の疲れが残っている」などのケースがあります。高齢者がうまく言葉で表現できないだけで、これらは重篤な体調不良のサインである可能性があるためです。
運動前の体調は万全でも、運動を始めてから体調が崩れる ことはしばしばあります。今月は、高齢者が運動をしている最中、また運動後に注意すべきポイント。
高齢者は若年者より水分を失いやすいものです。そのため、水分補給を小まめにする必要があります。特に熱中症予防には水分だけでなく塩分の摂取も必要です。スポーツドリンクや 熱中症予防用の飴玉などもうまく活用するとよいと思われます。※高齢者の場合は、体への負担が少ない15度~20度くらいのぬるま湯での水分補給をお勧めします。
間違った姿勢で運動をしていると、体の特定の部位に大きな負担がかかってしまいます。 たとえば自転車のサドルが低すぎるときは、窮屈な姿勢でこぐことになり、膝を痛めやすい ものです。こんなトラブルが起きないよう、正しい姿勢で運動しているかチェックしましょう。
特に激しい運動を終えた後は、必ずクールダウンをする必要があります。適切なクールダウンによって運動後に筋肉疲労が残りにくくなり、翌日以降も運動を続けやすくなるためです。特に高齢者の場合、クールダウンのストレッチ自体も貴重な運動になるため、積極的に行いましょう。
必要な休みを取らないと、心肺機能や筋力などの運動をつかさどる機能が正しく働かなくなります。これにより、効率の悪い運動になってしまうばかりか、心臓に余計な負担をかけてしまいます。
2020.11.08
『鍼治療とは、人が本来持つ自然治癒能力や免疫力を高めて治療や予防を 行う治療』です。この鍼治療についてご紹介したいと思います。
まず、鍼の長さです。種類は様々ですが、私たちが使用している一般的な鍼は おおよそ40mm~60mm程度の鍼を使用しています。太さは注射針よりも細い為、痛みもそれほど感じません。(個人差があります)
注射針の太さは約0.7~0.9㎜。対して、鍼灸でよく使われる鍼は0.14~0.34㎜と注射針の約3分の1の太さ。刺したときに皮膚の抵抗が少なく、痛みもほとんどありません。
鍼の種類も様々あります。幾つかご紹介しましょう。
例えば、“刺さない鍼⇒てい鍼”や“低周波を流す鍼治療⇒パルス療法”などがあります。
“てい鍼”とは先が丸くなった鍼のこと。身体に刺さることがなく、刺さない鍼で、接触鍼ともいわれています。鍼を刺すことに抵抗がある方、刺す鍼が苦手な方、お子様に使われます。
治療で使う鍼(はり)を体内に刺入し、電極として低周波刺激を行うものです。パルス(電気鍼)を使用すると筋肉に直接アプローチすることができ、筋肉の疲労や凝りに効果的です。身体機能の向上、血流の促進が期待できます。
ぜひ鍼治療を受けてみてください♪
問題がある患部や経穴(ツボ)に鍼を用いて、刺激を与え、病気の治癒や予防をめざすのが鍼治療です。人が本来持つ自然治癒力や免疫力を高めて治療から病気やケガの 予防まで行います。
私たちの身体には361箇所のツボが存在すると言われています。東洋医学の専門用語では「経穴」と呼ばれており、刺激すると症状を緩和し、弱った機能を回復させます。ツボの大きさは一般的に500円玉ほど。その範囲で刺激をすれば、ある程度の効果が見込まれますが、人によって最も有効なポイントは異なります。
鍼灸治療の効果がある病気には、運動器系、神経系、呼吸系などの疾患が多く、老人性疾患や難病も含まれてします。WHO(世界保健機関)やNIH(米国立衛生研究所)なども鍼の効果に着目していて、吐き気・嘔吐、頭痛、腰痛、変形性関節症などに鍼が効果的だという研究も多くみられています。
生活保護を受けておられる方も以下の手続きを行うことで、医療扶助というかたちで鍼灸(はり・きゅう)・マッサージ施術を受けることができます。
市役所など自治体へ行き、担当ケースワーカーさんに鍼灸・マッサージ施術を受けたい旨を相談して「給付要否意見書」を交付してもらいます。
※「給付要否意見書」とは身体の状態が医療扶助を行う必要があるか否かを判断する資料として、交付される用紙です。
主治医(かかりつけ医)から「給付要否意見書」に同意の署名もらいます。
主治医署名後の「給付要否意見書」を市役所に提出します。
市役所は提出された「給付要否意見書」に基づいて、被保護者の状況を確認したうえで、嘱託医の審査を経て医療扶助の決定を行い、施術が開始となります。
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