高齢者のエクササイズ時の注意点は何ですか?
高齢者のエクササイズ・運動時の注意点
高齢者の運動は、全身の健康の維持増進、認知症の予防などに大きな効果があるものです。反面、事故による負傷や骨折、無理な運動による脳卒中などのリスクもあります。このようなリスクを避けるため、高齢者の運動で家族が注意するべきポイントです。
- 運動前の注意点
- 運動中・運動後の注意点
運動前の注意点
血圧異常の有無
血圧には「絶対除外基準」という数値があります。最低血圧110mmHg以下、最高血圧180mmHg以上というものです。この基準に該当するときに運動すると命に関わるため、 運動をしてはいけません。これは高齢者だけでなく若年者でも同じです。低血圧、あるいは高血圧の状態で運動を行うと、脳卒中や心臓病、動脈硬化などを引き起こす可能性があります。「高血圧の薬を飲んでいれば血圧は上がらない」と思って運動してしまう高齢者もいますが、これも危険なので止めるようにしてください。
熱・下痢などの症状の有無
微熱や下痢など、何かしらの体調不良があるときも、やはり運動は避けた方が良いでしょう。通常このようなときに運動をしたがる高齢者は少ないでしょう。しかし、たとえば地域のイベントの当日など、軽い体調不良があっても出場してしまう可能性はあります。このようなときでも「体調不良があれば運動はさせない」のように、周囲が意識しておいた方が良いでしょう。
体の不快感の有無
何かしら体に不快感があると高齢者が訴えるときには運動を中止させるべきです。たとえば「何となくだるい」「気乗りがしない」「昨日の疲れが残っている」などのケースがあります。高齢者がうまく言葉で表現できないだけで、これらは重篤な体調不良のサインである可能性があるためです。
運動中・運動後の注意点
運動前の体調は万全でも、運動を始めてから体調が崩れる ことはしばしばあります。今月は、高齢者が運動をしている最中、また運動後に注意すべきポイント。
水分補給
高齢者は若年者より水分を失いやすいものです。そのため、水分補給を小まめにする必要があります。特に熱中症予防には水分だけでなく塩分の摂取も必要です。スポーツドリンクや 熱中症予防用の飴玉などもうまく活用するとよいと思われます。※高齢者の場合は、体への負担が少ない15度~20度くらいのぬるま湯での水分補給をお勧めします。
正しい姿勢の維持
間違った姿勢で運動をしていると、体の特定の部位に大きな負担がかかってしまいます。 たとえば自転車のサドルが低すぎるときは、窮屈な姿勢でこぐことになり、膝を痛めやすい ものです。こんなトラブルが起きないよう、正しい姿勢で運動しているかチェックしましょう。
クールダウン
特に激しい運動を終えた後は、必ずクールダウンをする必要があります。適切なクールダウンによって運動後に筋肉疲労が残りにくくなり、翌日以降も運動を続けやすくなるためです。特に高齢者の場合、クールダウンのストレッチ自体も貴重な運動になるため、積極的に行いましょう。
休むこともトレーニング
必要な休みを取らないと、心肺機能や筋力などの運動をつかさどる機能が正しく働かなくなります。これにより、効率の悪い運動になってしまうばかりか、心臓に余計な負担をかけてしまいます。